コーヒー生豆 2013年高騰とその後

コーヒー生豆は2013年末に急騰し、ニュースにもなっていました。

急騰前後のコーヒー豆の指標のいくつかをまとめてみました。

2014年12月を「1」とした取引価格指標をご紹介いたします。

コーヒー生豆は日々価格変動するものですが、それが顕著に出るスタンダードグレード

の取引価格で算出しました。特に流通量が多いブラジルとコロンビアのスタンダード

グレードを取り上げてみます。

ある月のある1日をピックアップしております。

また、1日の中でも変動幅がありますので、終値を拾っています。

 

●ブラジル(スタンダードグレードのコーヒー生豆

2013年夏:0.58

2014年12月:1.0

2015年夏:0.71

2015年12月:0.86

●コロンビア(スタンダードグレードのコーヒー生豆

2013年夏:0.64

2014年12月:1.0

2015年夏:0.71

2015年12月:0.73

数値化できる価格決定要因は、NYの商品相場と為替があります。

●NY相場/円ドル

2013年夏:0.67/0.82

2014年12月:1.0/1.0

2015年夏:0.65/0.97

2015年12月:0.67/0.99(120c/120円で計算しました)

世界のコーヒー生豆の1/3を生産するブラジルの天候不順が2013年末急騰の引き金になり

ました。2013年の12月、1月当たりに大量購入した事業者は少ないと思います。

ブラジルのコーヒー生豆が割高に見えますが、これはブラジル通貨のレアル安によるもののようです。

今年は、ブラジルは例年よりも割高になることは間違いなさそうです。コロンビアの通貨も同様に

安いのでもしかしたら影響が出るのかもしれません。

また、今年も12月はNY、為替とも動きが大きくて大量購入しづらい環境でした。

 

以下参考まで。

NYのコーヒー相場の推移

コーヒー生豆 NY

 

ドルUS/円為替の推移

us-yen

 

ブラジルレアル為替の推移

us-bz

 

コロンビアペソ為替の推移

us-col

2015年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : coffee roaster

コーヒーの抽出パラメータ

Bluebottleやスーバックスで、コーヒーを目の前で抽出していただけるようになりましたね。

抽出の様子を細かく見てしまいました。

 

コーヒーは抽出技量の差が風味に影響するのでしょうか?

私たちが飲むコーヒーはコーヒー生豆を原料にして焙煎加工(ロースト)したコーヒー豆を使用して抽出しています。

風味に影響する要素は?と考えてみますと、

1.コーヒー生豆 に何を使うか?

2.コーヒー生豆 がどのように焙煎されたか?

3.コーヒー豆がどのように粉砕されたか?

4.お湯の温度・量

5.抽出時間

の5つがあります。

1、2は“コーヒー豆選び”で抽出段階では何もできない要素です。1.2が風味のポテンシャルということになります。

3,4,5が抽出時のパラメータになります!

3.コーヒー豆の粉砕はどのくらいの粒度にするか?

粗いほど酸味が強くなり、細いほど苦味が強くなります。これは、お湯に接したコーヒーの成分の出方によるものです。先に酸味系の味が出ます、苦味が追っかけるように出ます。粗いほど苦味が遠いところにあるとイメージしてください。

4.お湯の温度は熱いほうがいいの?

熱いほど苦味が強くなり、温いほど酸味が強くなります。これも、コーヒーの成分の出方によるもので、熱いほど成分が早く出てきますので苦味が出てくるようになります。

5.抽出時間は長いほうがいいの?

抽出時間は、ハンドドリップでは長い短いのみならす、お湯に接する時間もパラメータになります。

同じ2分間のハンドドリップでも、10回お湯を注ぐ小口注ぎと2回に分けて注ぐのではコーヒーの成分が出てくる様子が変わります。

 

この3点のパラメータで風味が決まります。何がいいのかという絶対的な正解はありませんので、お好みのバランスを見つける必要があります。ただなんとなく抽出しているよりは、3つのパラメータを意識して抽出すると何か発見できるかもしれません。

コーヒー豆焙煎装置のメンテナンス

コーヒー生豆を焙煎する5kg釜(メーカー仕様)の焙煎装置をメンテナンスしました。

今回はたびたびご紹介しております清掃とは異なる部位です。

コーヒー豆焙煎装置

焙煎装置の正面!です。国内メーカーの焙煎装置です。釜の中へコーヒー生豆を投入しますが、正面と背面で窯を支えて回転をスムーズにしています。釜の内側のドラムを回転させるのはモーターの仕事ですが、ベアリングが使われています。

コーヒー豆ロースター

コーヒー豆焙煎装置の正面部分を取り外しました。200℃以上になる釜を覆うだけありかなりの重量です。ドラムが露わになりました。ドラムは穴が開いています。ドラムの下にはガスバーナーがあります。コーヒー生豆に炎の熱をあてることになります。この方式を直火式焙煎といいます。穴が開いていないドラムに交換することもできます。バーナーがの炎で穴が開いていないドラムコーヒー生豆を焙煎する方式を半熱風式焙煎といいます。

ベアリング

正面部に装着しているベアリングを取り外します。日々の焙煎でグリスが甘くなり、グリスに汚れがついて回転数が変わることもあるといわれる箇所です。洗浄剤を使用してグリスを落とし、汚れも落とします。新しい耐熱グリスを馴染ませて再び装着!これだけの作業で数時間はかかります。。

 

2015年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : coffee roaster

「サントスNo.2 17/18」 はどこの農園?

「ブラジルNo.2 17/18 は産地(○○農園または地域等)の記載がありませんでしたが・・・」

先日、コーヒー生豆をご購入いただいたお客様からご質問をいただきました。

コーヒー生豆の買付け、輸出入、仕入れの仕事をしていても判りにくいのが流通経路です。

「日本の流通は複雑だ!」ということを耳にしますが、コーヒー生豆に関しては、ほぼ100%輸入品ですが、輸出されるまでは充分に複雑です。

各国ごとにコーヒー協会(日本で言えば農協です)があり、外貨獲得や主要輸出品となっている国もあります。当店は、日本に輸入された多くの種類のコーヒー生豆からいくつかを選んで仕入れております。農園との直接契約や輸入業務は行っておりません。国内での流通と焙煎事業をを行っております。

いただいたご質問への当店からの回答をご紹介いたします。ご参考になれば幸いです。

●流通経路について
コーヒー生豆は輸出国でグレード分けされております。(通常品)
このグレード分けとは別に農園単位など特定要素で商品化されている
生豆もございます。グルメコーヒー、プレミアムコーヒー、スペシャ
ルティコーヒーと呼ばれているものです。

サントスNo.2 17/18は通常品で、ブラジルで生産した生豆のNo.2規格
かつスクリーン17/18というスペックになります。
流通経路で申しますと、ブラジルのどこかで生産されたものというこ
とになります。ロットによる差が大きくあたりはずれがありうる商品
です。

スノートップはタンザニアのある地域で生産された生豆で品種はケント
という商品で、輸出時に通常品とは区別した商品化がなされています。
なお、国によって農園単位では輸出されないところがあり、タンザニア
はそのうちの一つです。

一般的に通常品の方が安価に流通しております。

 

仕入れを行う際に、通常品は”サントスNo.2 17/18”などの名称のみで取引されています。(当社仕入れのケースです)

通常品は品質によりムラがあり、また流通量がより多く相場の影響をより強く受けます。

2015年2月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : coffee roaster

焙煎した直後のパナマゲイシャ

コーヒー生豆のオークションで驚異の落札額となり一躍有名になった「パナマゲイシャ」、風味が優れていると高い評価を得ています。風味は個人差がある主観によりますが、特徴があることは間違いないです。私もここ数年間にゲイシャ種のコーヒーを何種類か飲んでおりますが、現在のロット以外はすべてサンプルローストなど他者が焙煎したものを飲んでいました。コロンビアやコスタリカもゲイシャ種の栽培を行っており、飲んだことがあるのはまだ3か国6農園くらいだと思います。サンプルローストとはいえ、プロの焙煎事業者やコーヒー生豆業界の方が焙煎したものです。サンプルローストはコーヒー生豆の買付のための評価目的で、ゲイシャの場合は以前からうやや浅い煎りでした。最近はどの種類もサンプルロースト&評価では浅煎りが多いです。酸味を評価するので必然的に浅い焙煎となるのだと思います。

本日は、iPhoneカメラで焙煎直後のゲイシャを撮影しました。

焙煎直後冷却中のゲイシャ

 

ディスプレイにもよるのでしょうが、色合いがイマイチよくないですね。パナマゲイシャのコーヒー生豆焙煎直後に冷却箱で急速冷却中のパナマゲイシャです。焙煎度は、サンプル評価で採用される焙煎度よりもやや深めに焙煎しています。

正確な数値は把握していませんが、(当店の)パナマゲイシャのコーヒー生豆は柔らかいので深い煎りには向いていないので、加熱しすぎないようにしています。サンプルローストくらい浅いと酸味たっぷりなのですが、もう少し深くすると絶妙な風味になります。(私の嗜好に最適なんです。)

早速焙煎直後に評価を兼ねてハンドドリップしました。コーヒーの品評会で行われるカッピングではハンドドリップはしませんが、より現実的な飲み方、淹れ方でパナマゲイシャの複雑さをもっとも表現できるハンドドリップとしました。

さすがパナマゲイシャ、コーヒー豆を挽いただけでゲイシャらしい香りが漂います。お湯を注ぐとややはじき気味です。

焙煎当日のゲイシャコーヒー

湯気がきつくて撮影は上手にできませんでしたが、ドリップは失敗しないように細心の注意で。
焙煎当日のゲイシャコーヒー

本日のパナマゲイシャも焙煎成功を確認できました。1週間程度は日々風味が変化して、どんどん複雑な味で深みがましてくることが期待できます。1年位1回しか買付できないので来季も少々高額でも購入しようと思っています。