コーヒー豆の焙煎

コーヒー豆を焙煎する
コーヒー豆の焙煎とは?

コーヒー生豆を飲用を目的としたコーヒー豆に加熱加工することです。

  • 焙煎加工の原料となるコーヒー生豆
     各地の農園で収穫されたコーヒーの実から種を取り出して乾燥したものがコーヒー生豆です。地域や土壌気象条件などの産地特性と品種でコーヒー実が異なります。
    収穫されたコーヒーの実から種を取り出して乾燥させる工程がコーヒー生豆の精製です。
    精製方法は、種を取り出す際にどの段階で乾燥させるかという点と、乾燥法の2つの要素があります。
    ほぼ全ての産地で精製されたコーヒー生豆をグレードで選別する作業が行われています。
  • コーヒー生豆のグレード
     コーヒー豆の生産地で付けられているグレードは、世界標準は無く産地ごとに異なります。コーヒー生豆のスクリーンサイズ(粒の大きさ)や欠点豆の混入率がよく使われる指標になっています。
    AAとかABという表記が使われている国・地域もありますが、これはスクリーンサイズをあらわしています。
     輸出側で付けられるものに、各種認証があります。有機栽培の認証や●●グレード認証など。
     1990年代の終わりごろからトレーサビリティを求める動きがはじまり、SCAAが1999年にでブラジルでコーヒー生豆の品評とオークションを行った。今日のCOE(Cup
    Of Excellence)となって続いています。
    COEは評価基準が定められており、評価について訓練されたCupperと呼ばれる専門家が評価(カッピング)するシステムです。一定の評価点以上のコーヒー生豆にCOEの称号を与えます。コーヒー生豆は農産物ですので品評とオークションは毎年行われています。開催は、生産国ごとの実施となります。
  • コーヒー生豆を焙煎する
     コーヒー生豆を加熱加工する工程がコーヒー焙煎(ロースト)です。コーヒー生豆は加熱により細胞破壊と化学変化をおこします。飲用に最適化された焙煎を目指すことが焙煎の目的となります。
    コーヒー生豆の水分を失わせる度合い、硬い細胞を破壊する度合いは相関関係にあると考えられます。コーヒー生豆の種類やその日の天候湿度などにより水分の飛び具合が異なるため、毎回の作業時間が一定とは限りません。クロップ毎の違いに加えて保管状態の違いも影響しますので、コーヒー生豆ごとに水分含量が異なると考えられます。このため100%のプログラム制御が難しく人が必要になります。

     産地により異なるコーヒーの味の特徴や、独特の香りを引き出すのには、8割が焙煎によって決まるといわれています。美味しいコーヒーかどうかは最終的には個人の嗜好と考えるのが妥当と考えますが、コーヒー生豆が持つ本来の風味を引き出せるように加熱を最適化させるのが焙煎の本道だと考えられます。

  • 焙煎の濃度
     コーヒー豆の焙煎は、加熱量により失われる水分量と化学変化の度合いが異なり、飲用時の風味も異なってきます。焙煎の濃度は、「浅い~深い」という表現が使われます。
    日本語では、「深煎り」「中煎り」「浅煎り」と区分します。
    西洋式は7つの段階表現が使われます。
     シナモン、ライト、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアン


コーヒー豆を焙煎するために必要な機能は、
 1.加熱
 2.外気の流入
 3.チャフの吸引
 4.冷却
の4つです。
コーヒー専用の焙煎装置にはこの4つの機能が具備されています。
手網やハンドロースター、家庭用簡易ロースターはこれらの機能が専用機械に比べて充分ではないものもあります。



コーヒー生豆から剥がれる薄皮(チャフ)、しっかり吸引しながら焙煎します。
活用方法がなく、廃棄されます。

コーヒー豆の焙煎方式

コーヒー豆の焙煎作業で主役となる加熱について、熱源がいくつかあります。
ガス、炭火、電気のうち、コーヒー焙煎事業者の多くがガスでを熱源とした焙煎方式を行っております。
ガスを熱源とした焙煎方式は3つに別れます。

1.直火式

 コーヒー生豆に炎の熱を直接当てる焙煎方式です。
香ばしい香りが出やすく、シャープな後味のコーヒーになります。
しっかりと焙煎すると最もコーヒー本来の風味を引き出すことができる方式です。
焼きムラガでき安いので火加減など焙煎が難しい方式です。
一度に焙煎できる量が少ないので量販品は熱風式のコーヒーとなります。

2.熱風式

 バーナーで燃やした火の熱を釜に送り込んでコーヒー豆を焼き上げる方式です。
直火焙煎のようなシャープな後味よりは、やわらかいマイルドなコーヒーになります。大量に焼くことができる方式のため、量販品ではこの方式で焙煎されたコーヒーとなります。

1.半熱風式

 火とコーヒー豆の間に鉄板を介して焼きます。
バーナーが釜の下にあり、釜に火を当てる方式です。直火式と熱風式の中間的方式で半熱風式といわれます。直火式よりはキレがすくなく、熱風式よりもコクが出る方式です。
直火式よりは大量に焼けますが、熱風式ほど大量には焼けません。

焙煎後のコーヒー豆

 焙煎したコーヒー豆は即座に冷却して焙煎の進行をとめます。
コーヒー豆は、焙煎直後から炭酸ガスを放出し続けます。豆のままの状態で、約2週間程度は日々味が変わっていくのはこのためです。
コーヒー豆を挽いて粉にすると急速にガスを放出してしまいますので、できるだけ豆のままで保
存する方が劣化が遅くなります。一定期間経過後は劣化が始まります、コーヒー豆が酸化していきます。
 コーヒー豆は焙煎後早い時期はよりクリアなスッキリした後味となります。また焙煎後は、焙煎前のコーヒー生豆の状態から重量で15~20%ほど軽くなります。


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