コーヒー原料(生豆)

コーヒー豆ができるまで ~栽培・収穫⇒精製⇒輸出~

コーヒー果実

コーヒーの栽培

コーヒーは苗木から育てて、4~5年で収穫のときをむかえます。
     植樹→収穫→精選→出荷(輸出)
をへて、私たちの元にやってきます。
ほとんどの豆は赤道近くのコーヒーベルト地帯で栽培されていますので、遠く海を渡って届きます。

コーヒー豆の精製

 収穫したコーヒー果実から豆を取り除くとコーヒー生豆になります。
コーヒー豆の精製方法は2種類に分けられます。

  • ナチュラル

コーヒー果実を天日で乾燥させ、乾燥後に果肉を取り除き生豆にする方法。
ブラジル、エチオピア、マンデリンで主に行われている。
コーヒーのコクがよく出る方法とされています。

  • ウォッシュ(水洗)

コーヒー果実から果肉を取り除き、水路や水槽で水洗いしてコーヒー生豆を
取り出す方法。コロンビア、ガテマラ、シダモ地方で主に行われている。

収穫時期による分類

  • ニュークロップ その年度に収穫され出荷された新しいコーヒー豆。特に10月に新しい収穫年度になってから呼ばれることが多い。
  • カレントクロップ 最新の収穫年度に得られたコーヒー豆。ニュークロップと同じものを指す場合もあるが10月から時期が経過した場合にこう呼ぶ場合が多い。
  • パーストクロップ 前年度に収穫されたコーヒー豆。
  • オールドクロップ 広義にはそれ以前に収穫されたコーヒー豆を指す。ただし狭義には内果皮を取り除く前の状態で数年保管していたものに対する銘柄として扱われる。なおこの狭義のオールドクロップに相当するコーヒー豆は現在ではほとんど入手不可能と言われる。
  • オールドビーンズ 狭義のオールドクロップとの混同を避けるため、広義のオールドクロップに相当する言葉として作られたもの。ふるまめ。
コーヒーの苗木 生産国で、その地域に合わせた植樹を行います。
標高の高い斜面で土壌や土質、そして気候風土に適した場所を選び、有機栽培で大切に育てられたり、アラビカ種の在来種のブルボン、ティピカ種などスペシャルティコーヒーとして育てられるものもあります。
コーヒーの花   ・・・白い花が咲きます。
     同じ木でも開花の時期が異なります
コーヒーの実  実をつけるとやがて熟した赤い実になります。
 赤く熟した実から収穫されていきます。
 一部に黄色い実(アマレロ種)もあります。
 完熟するまで待って収穫するものもあります。
コーヒーの収穫 同じ木でも花の開花・結実時期が異なるのでコーヒーチェリーの完熟度も異なります。機械でで収穫するものもありますが、熟したコーヒーの実のみを収穫するため、手作業で摘み取ることもあります。スペシャルティーコーヒーのほとんどは手摘みです。
コーヒー豆の精選 豆を乾燥させます。
・ウォッシュド製法
 豆を水洗いする方法で、雨の多い地域で行われます。
 よりクリアな味になるといわれています。
・セミウォッシュド製法
 水洗い後果肉をつけたままビニルハウスで乾燥させる
・サンドライ方式
 水洗いした後天日で乾燥させる「天日乾燥」
・ナチュラル製法
 水洗いせずに天日乾燥させます。
 コーヒー独特の香りや風味が多く残るといわれています。
コーヒー豆の選別 欠点豆、未熟豆を除去の他、粒の大きさ別等に仕訳します。
水洗いするときに機械を使って選別するものもあります。
生産地域のコーヒー豆のグレード分けを行います。
テイスティングが行われてグレード分けが行われます。
ドンゴロス(麻袋)に詰められて出荷のときを待ちます。
ブルーマウンテンとハイマウンテンは樽に詰められます。
コーヒー豆の輸出 コーヒー豆を60kg~70kg詰めたドンゴロスに刻印して港へ。
船底で揺られながら遠路、世界各地の消費国へコーヒー生豆が輸出されます。
消費国で焙煎してインスタントコーヒーやレギュラーコーヒーとして食卓へ・・・・
コーヒー豆の成分 (%、無水物中)
成 分 コーヒー生豆 焙煎豆
全多糖類 50.0〜55.0 24.0〜39.0
小糖類 6.0〜8.0 0〜3.5
脂肪 12.0〜18.0 14.5〜20.0
遊離アミノ酸 2.0 0
たんぱく質 11.0〜13.0 13.0〜15.0
全クロロゲン酸類 5.5〜8.0 1.2〜2.3
カフェイン 0.9〜1.2 〜1.0
トリゴネリン 1.0〜1.2 0.5〜1.0
脂肪族類 1.5〜2.0 1.0〜1.5
無機成分 3.0〜4.2 3.5〜4.5
腐食酸 16.0〜17.0


 コーヒーは、古くからその薬効が注目されてきましたが、現代では科学的な研究が進み、さまざまなことが明らかになってきています。数十年前までは、「コーヒーを飲むとがんになる」「コーヒーには中毒性があるなどどいわれていましたが、現在ではむしろ、健康を維持する食品として見られるようになっています。がん予防に項があるという報告が多数されていたり、世界保健機関(WHO)がコーヒー(カフェイン)を中毒物から外しています。

 コーヒーの薬効成分といえば、カフェインを思い浮かべるのではないでしょうか?カフェインはコーヒーのもっとも特徴的な成分で、コーヒーのほか、お茶やココア、ガラナなどの植物に多く含まれています。カフェインの効能としてとしては、眠気覚ましなどの興奮作用や尿の排出を促す利尿作用などが広く知られています。これらのほかにも「自律神経の働きを高める」「集中力を高める」「運動能力を高める」などのさまざまな薬効があることが明らかになってきています。また、近年とりわけ注目されているのが、クロロゲン酸です。コーヒーを焙煎したときの褐色や苦味、香りのもとになっている成分です。

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